judges.pdf

(526 KB) Pobierz
Japanese Living Bible Old Testament Judges
カナン征服記 下(士師記)
本書は、カナン征服後の数百年間のことを記しています。 その時代に、人々は、士師と
か救国者とか呼ばれる指導者に従っていました。指導者たちの主な任務は、軍事的なこと
で、敵を国から追い出すことでした。 イスラエルの歴史上、この時期は悲劇のくり返し
で、神様に反逆すると間もなく外国軍が侵入するという形で、神様のさばきがあったので
す。 イスラエルの人々は、そのつど神様に助けを叫び求め、士師が彼らを救うために遣
わされました。 本書には、こうしたくり返しが何回も見られます。 残念なことに人々
は、神様に反逆することが明らかに災いへの道だということを、なかなか悟りませんでし
た。
1 ヨシュアの死後、イスラエル国民は神様から指示を仰ごうとしました。
「カナン人と戦うには、まずどの部族が出陣すればよいのでしょうか。」
2 「ユダ部族だ。 彼らに、輝かしい勝利を約束しよう。」
3 ところが、ユダ部族の指導者たちは、シメオン部族に加勢を求めたのです。 「われ
われの割り当て地に住むやつらを追っ払うのに、力を貸してほしい。 その代わり、君ら
が戦う時には必ず応援するよ。」 そんなわけで、シメオンとユダの軍隊は、合流して出陣
したのです。 4‐6神様のお助けによるのでしょう、彼らはカナン人とペリジ人を打ち
破ることができました。 このベゼクでの戦闘で、なんと一万人もの敵が殺されたのです。
アドニ・ベゼク王は逃げ出したものの、すぐ捕らえられ、手足の親指を切り取られてしま
いました。
7 「わしもこうやって、七十人もの王の親指を切り取り、わしの食卓から落ちるパンく
ずを食べさせたものだが、いま神様は、そのつけを回してこられたというわけだ」と、王
は嘆きました。 王はエルサレムへ連れて行かれ、そこで息を引き取りました。
8 ユダ部族はエルサレムを占領し、住民を殺し、町に火をかけました。 9そののちユ
ダの軍隊は、低地に住むカナン人を攻めたばかりか、山地やネゲブのカナン人とも戦いま
した。 10また、以前キルヤテ・アルバと呼ばれたヘブロンにいるカナン人めがけて攻
撃を開始し、シェシャイ、アヒマン、タルマイなどの町を滅ぼしました。 11そのあと、
デビルを攻撃しました。 デビルは、以前キルヤテ・セフェルと呼ばれていました。
12 「だれか、率先してデビルを攻撃する者はおらんのか。 占領した者には、娘アク
サを妻として与えるぞ」と、カレブは全軍に呼びかけました。
13 カレブの弟ケナズの息子、オテニエルが、先陣を志願してデビルを占領し、アクサ
を花嫁に迎えました。 14二人が新家庭を築くために巣立つ時、アクサは夫にそそのか
され、贈り物としてもっと土地をくれるよう、父にねだることにしました。 彼女が、ろ
ばから降りると、カレブは尋ねました。
「どうした。 何か欲しいものでもあるのか。」
15 「ネゲブの地は十分にいただいたのですけれど、できれば、泉もいただきたいの。」
そこでカレブは、上の泉と下の泉を与えました。
16 ユダ部族が、アラデの南方、ネゲブの荒野の新天地に移った時、モーセの義父の子
孫であるケニ族の人々も同行しました。 彼らは、「なつめやしの町」と呼ばれたエリコを
離れ、以後ずっといっしょに生活しました。 17そののちユダ軍はシメオン軍の加勢を
得て、ツェファテの町に住むカナン人と戦い、絶滅させました。 今でも、その町はホル
マ〔「絶滅」の意〕と呼ばれています。 18ユダ軍はさらに、ガザ、アシュケロン、エク
ロンの町々と周辺の村々を手中に収めました。19神様が助けてくださったので、山地一
帯の住民を全滅させることができたのです。 ただし、谷の住民は鉄の戦車を持っていた
ので、征服できませんでした。
20 ヘブロンの町は、神様のお約束どおりカレブの手に落ちました。カレブは、そこに
住むアナクの三人の息子を追い出しました。
21 ベニヤミン部族は、エルサレムに住むエブス人を根絶やしにできませんでした。 そ
れでエブス人は、今でもイスラエル人といっしょに住んでいます。
2223ヨセフ部族も、ベテルの町を襲撃しました。 ベテルは以前ルズと呼ばれた町で
す。 神様はヨセフ部族とともにおられました。 まず、スパイが派遣されました。 2
4彼らは町から出て来た男を捕まえ、町の城壁の出入口を教えてくれたら、家族のいのち
も助けてやると持ちかけたのです。 25案の定、男は町に入る方法をしゃべりました。
おかげで、ヨセフ部族は町に攻め込み、全住民を滅ぼすことができたのです。 もちろん、
その男と家族だけは助かりました。 26のちに、その男はヘテ人の地に町を建て、ルズ
と名づけました。 今でも知られているとおりです。
27 マナセ部族は、ベテ・シェアン、タナク、ドル、イブレアム、メギドとその周辺の
町々の住民を追い出すことに失敗しました。 それでカナン人は、その地にとどまり続け
たのです。 28のちにイスラエルは強大になりましたが、カナン人を奴隷として働かせ
ることはあっても、追い出しはしませんでした。 29ゲゼルに住むカナン人についても、
同じです。 今もなお、エフライム部族に混じって生活しています。
30 ゼブルン部族も、キテロンとナハラルの住民を滅ぼすには至らず、奴隷として働か
せました。 3132アシェル部族は、アコ、シドン、マハレブ、アクジブ、ヘルバ、ア
フェク、レホブの住民を追い出しませんでした。 それでイスラエル人は、今なお、原住
民であるカナン人といっしょに住んでいるのです。 33ナフタリ部族は、ベテ・シェメ
シュとベテ・アナテの住民を追い出しませんでした。 彼らは奴隷として、イスラエル人
に混じって暮らし続けました。
34 ダン部族の場合は、エモリ人に圧倒されて山地へ追いやられ、谷に降りることがで
きませんでした。 35しかし、のちにエモリ人は、ヘレス山、アヤロン、シャアルビム
へと散在するにつれ、ヨセフ部族に征服されてしまい、奴隷として働かされることになり
ました。 36エモリ人との境界線は、アクラビムの丘陵地帯から始まり、セラと呼ばれ
る地点を通り、そこから上の方に延びています。
1 ある日、神様の使いがギルガルから上って来て、ボキムに到着し、イスラエル国民に
こう告げました。 「わたしはおまえたちを、先祖との約束に従って、エジプトからこの
地へ連れて来た。 また、おまえたちと結んだ契約を決して破らないと宣言した。 2た
だし、それには条件があったはずだ。 この地の先住民と友好条約を結んではならないと
いう条件だ。 この地の異教の祭壇を取りこわせと命じたではないか。にもかかわらず、
なぜ従わなかったのか。 3おまえたちが契約を破った以上、もはや無効だ。 もう、お
まえたちの地に住む諸国民を滅ぼすとは約束しかねる。 それどころか、あの人々はおま
えたちの悩みの種となり、彼らの神々は常に誘惑の罠となるだろう。」
4 御使いが語り終えると、人々はせきを切ったように泣きだしました。 5それでこの
地は、ボキム〔「人々が泣いた場所」の意〕と呼ばれるようになったのです。 人々は神様
にいけにえをささげました。
6 ヨシュアがイスラエルの全軍を解散させると、各部族はそれぞれ新しい領地めざして
移動し、各自の所有地を手に入れました。 7‐9神の人ヨシュアは百十歳で世を去り、
エフライム山中、ガアシュ山の北にあるティムナテ・ヘレスの自分の領地に葬られました。
ヨシュアが生きている間、人々は神様に忠実でした。 その死後も、神様がイスラエルに
なさった、驚くべき奇蹟を目撃した長老たちの存命中は、その態度に変わりはなかったの
です。
10 ところが、ヨシュアと同世代の人々がみな世を去ると、あとの世代は神様を礼拝せ
ず、神様がイスラエルのためになさった力強い奇蹟さえ、意に介さなくなったのです。 1
1彼らは、神様が断固として禁じたことを次から次へと犯していきました。 もちろん、
異教の神々を拝むことも平気でした。 12‐14イスラエル人をエジプトから連れ出し
てくださったお方、先祖が心から礼拝してきた神様を捨ててしまったのです。 そのあげ
く、近隣諸国の偶像にぬかずいて拝む有様でした。 神様の怒りは、全イスラエルに対し
て燃え上がりました。 神様に背を向け、バアルやアシュタロテのような偶像を拝むイス
ラエルを、神様は敵のなすがままに任せたのです。
15 今や、イスラエル国民が敵と戦おうと進軍しても、神様が行く手をはばみます。 こ
うなることは、前もって神様が警告し、はっきり誓っていたのです。 それでもなお、か
つてない苦境に立たされた人人を、 16敵の手から救い出すために、神様は士師(王国
設立までの、軍事的・政治的指導者)を起こされたのです。 17しかし、その士師にさ
え耳を貸そうとせず、人々はほかの神々を拝んで、神様への誠実を踏みにじったのです。
なんと早く、先祖が歩んだ信仰の道から離れてしまったことでしょう。 それは、神様の
戒めに従うことを拒んだからです。 18どの士師も、生涯を通して、イスラエル国民を
敵の手から救い出しました。 苦しみに押しつぶされそうな人々のうめきを聞き、神様が
あわれんでくださったからです。 こうして神様は、士師の在世中はイスラエルを助けて
くださいました。 19しかし、士師が死ぬと、人々はたちまち正しい道を捨て、先祖よ
りもいっそう堕落したのです。 強情を張り、異教の神々に祈りをささげるわ、地にひれ
伏して礼拝するわで、周辺諸国の悪習慣に再び染まり、抜け出ることができませんでした。
20 神様は再びイスラエルをお怒りになりました。 「この国民は、わたしが先祖と結
んだ契約を踏みにじった。 21だから、ヨシュアが死んだ時まだ征服していなかった国
民を、これ以上追い出すのはやめよう。 22むしろ彼らを用いて、イスラエル人がほん
とうに先祖にならって、わたしに従うかどうか試すことにしよう。」
23 このように神様は、これらの国民を滅ぼすことを許さず、この地から追い出さずに
残しておかれたのです。
1‐3カナンで戦ったことのない、イスラエルの新しい世代を試すために、神様がこの地
に残した国民をあげましょう。 神様はイスラエルの若者に、敵を征服することによって
信仰と従順を学ぶ機会を、与えようとなさったのです。
ペリシテ人の五つの町
カナン人
シドン人
バアル・ヘルモン山からレボ・ハマテまでのレバノン山系に住む
ヒビ人
4これらの国民は、新しい世代への試金石となりました。 モーセが与えた神様の戒めに、
新しい世代が従うかどうかが、はっきりするからです。
5 それでイスラエル人は、カナン人、ヘテ人、ヒビ人、ペリジ人、エモリ人、エブス人
に混じって生活しました。 6ところが、異民族を滅ぼすどころか、イスラエルの若者は
彼らの娘を妻にめとり、イスラエルの娘は彼らの息子に嫁いだのです。 やがてイスラエ
ルは、異教の神々を拝むようになりました。 7このように、神様に対してさんざん悪事
を重ねました。 それは、神様を裏切って、バアルやアシェラなどの偶像を拝んだからで
す。
8 ついに、神様の怒りは、めらめらと燃え上がりました。 イスラエルはメソポタミヤ
の王クシャン・リシュアタイムに征服され、八年間その支配に服することになったのです。
9しかし、神様に叫び求めると、神様は救いの手を差し伸べ、カレブの甥オテニエルを遣
わしてくださいました。 10神の御霊が彼を支配していたので、彼はイスラエルの改革
と粛清を断行しました。 その結果、オテニエルの率いるイスラエル軍がクシャン・リシ
ュアタイム王の軍勢と対戦した時、神様はイスラエルに加勢し、完全な勝利を収めさせて
くださったのです。
11 こうして、オテニエルが治めた四十年の間は、平和が続きました。ところが彼が世
を去ると、 12イスラエル国民は再び罪を犯すようになったのです。 すると神様は、
モアブの王エグロンに加勢し、イスラエルの一部を占領させました。 13エグロン王と
同盟を結んだのは、アモン人とアマレク人でした。 同盟軍はイスラエルを破り、「なつめ
やしの町」と呼ばれたエリコを手に入れました。 14こうして向こう十八年の間、イス
ラエル国民はエグロン王の圧政に苦しむことになったのです。
15 そのとき神様に叫び求めると、神様は、ベニヤミン人ゲラの息子で左ききのエフデ
を、救助者としてお立てになりました。 エフデは、モアブの都に年貢を届ける務めに任
じられていました。 16彼は出発を前にして、長さ五十センチの両刃の短剣を作り、右
ももに皮ひもでくくりつけて服の下に隠したのです。 17‐19エグロン王は大へん太
っていました。 貢物を渡すと、エフデは帰路につきました。 ところが、町を出てギル
ガルの石切り場まで来た時、同行の者を先に帰し、一人で王のもとへ戻ったのです。
エフデは申しました。 「陛下、内々に申し上げたいことがございます。」
王はさっそく、お付きの者たちに座をはずさせました。 これで二人きりです。 20涼
しい屋上の間に座っている王に歩み寄りながら、エフデは、「実は、神様のお告げがござい
まして」と言いました。
王は、お告げを受けようと立ち上がりました。 21すかさずエフデは左手を伸ばし、隠
し持った短剣を抜き放ちざま、王のどてっ腹めがけて、ぐさりと突き刺したのです。 2
223短剣が柄までくい込んで腹わたが流れ出し、脂肪が刃をふさいでしまいました。 す
ばやくエフデは戸に錠をかけ、抜け道の階段づたいに逃げました。
24 戻って来た家来は、戸に錠がかかっているので、用を足しておられるのだろうと思
い、しばらく待っていました。 25ところが、いつまで待っても王は現われません。 心
配になって開けてみると、なんと、王は床に倒れて死んでいるではありませんか。
26 その間にエフデは、石切り場を駆け抜けてセイラへ逃げました。27そして、エフ
ライムの山地にたどり着くと、ラッパを吹き鳴らして兵を集め、全軍を指揮下に置いたの
です。
28 「おれに続け。 神様はモアブに勝たせてくださるぞ。」 エフデは全軍に呼びかけ
ました。
エフデは進軍し、モアブに通じるヨルダン川の渡し場を押さえて、人っ子ひとり渡らせな
いようにしました。 29それからモアブを襲い、屈強の勇士、約一万人を皆殺しにし、
一人も逃しませんでした。 30モアブはその日のうちに征服され、イスラエルには、八
十年間も平和が続いたのです。
31 エフデの次に士師になったのは、アナテの息子シャムガルでした。彼は牛の突き棒
で、ペリシテ人を一度に六百人も殺し、イスラエルを災いから救いました。
1 エフデが世を去ると、イスラエル国民はまた、性懲りもなく悪を重ねました。 23
それで神様は、ハツォルにいたカナン人の王ヤビンに、イスラエルを征服させたのです。
王の軍の最高司令官はシセラで、ハロシェテ・ハゴイムに住んでいました。 彼は鉄の戦
車九百台をかかえ、二十年間イスラエル人を悩まし続けたのです。 ついにイスラエル人
Zgłoś jeśli naruszono regulamin